お隣が「売主がコンクリート境界杭を勝手に動かした」と言ってきたケース ~不動産売却での事例73~
不動産売却でのトラブルで代表的なものとして境界トラブルがあります。
普段は境界が問題になることがなくても、実際に測量の場面になると境界を巡ってトラブルになる可能性があります。
境界のトラブル事例で、売主さんと境界トラブルになったお隣が「売主がコンクリートの境界杭を勝手に動かした」と言ってきたケースがありました。
コンクリート杭の境界
通常、敷地と隣地との境界には、上の写真のような四角いコンクリート杭の境界があります。
この境界杭は、「地震などの災害により位置がズレることがある」と、以前そのような話を土地家屋調査士の方から聞いたことがあります。
しかし、人が境界杭を動かすことはあるのでしょうか?
コンクリートの境界杭を設置する場合には、杭の下部をモルタルなどで固めるので、簡単には境界杭を動かすことはできません。
そのため、人が境界杭を動かすのは難しいと思われます。
また、境界を動かしたことを証明するのは難しいと思います。
測量した図面があれば、その図面と現地の寸法を比較することができ、明らかに寸法が違うのであれば、境界の位置を動かした可能性はあると思います。
しかし、寸法の違いがごくわずかであれば、測量での誤差の可能性が高いです。
一方で、境界杭を動かす前の写真などがあれば、それを証拠にすることはできます。
「誰かが境界を動かした」
という証言だけでは、それを証拠とすることは難しいと思います。
境界杭を動かした?
当社での境界トラブル事例です。
売主さんとお隣が境界を巡ってトラブルになったのです。
それは、売主さんとお隣の両者が主張する境界の位置が違うのです。
ただ、売主さんは、
●お隣より前からその土地に住んでた
●新たな測量などで境界が変わったことはない
●今あるコンクリート境界杭の位置で境界は間違いない
と言います。
境界杭の位置は、以前の位置よりも多少のズレがあるかもしれませんが、当社や土地家屋調査士が測量図などで境界の位置を確認したところ、売主さんの言う境界で間違いありません。
その一方で、お隣は、
「こちらが言う境界が違うのなら、〇〇(売主)さんが勝手に境界を動かしたのでは?」
と言うのです。
お隣が言う境界の位置を証明するものはなく、売主さんが境界を動かしたという根拠となる証拠もありません。
しかし、その後、この測量トラブルは、時間はかかりましたが、最終的にはお隣が折れて売主さんの言う境界で確定しました。
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