売却する物件に「竜巻」の被害があった場合、告知する義務はあるのか? ~不動産売却での事例105~
最近は、大雨や台風など多くの自然災害が発生していますが、このような自然災害の予測は大変難しいものです。
それでも、不動産を売却する際には、たとえ自然災害による被害が軽いものであっても、過去に水害(道路冠水など)などで被害にあったことを告知書などで買主さんに知らせます。
それでは、過去に竜巻が発生した場合も告知する必要はあるのでしょうか?
予想するのが難しい竜巻
自然災害といえば、地震や台風をイメージするかと思います。
しかし、自然災害の中には、地震や台風などに比べて発生する確率が低い竜巻があります。
ただ、ゲリラ豪雨などの異常気象が多い中、近年では、竜巻の発生件数は増加傾向にあるそうです。
しかも、竜巻は狭い範囲で突発的に発生することが多いので、大雨などに比べると予想するのがとても難しいです。
告知書などで知らせること
過去に自然災害の被害に遭ったなどのマイナスな情報は、売主さんが不動産を売却する際の「告知書」で買主さんに知らせます。
実際に自然災害にあったことを伝えないと、後で買主さんが事実を知り、トラブルになる可能性があります。
買主さんには、自然災害の被害にあったことを知らせ、それでも買いたい(住みたい・欲しい)と思う買主さんに自然災害の対策をできるようにしてあげることが大切です。
竜巻被害と告知書
以前、大きな被害はありませんでしたが、竜巻で屋根が一部吹き飛ぶ被害があった物件を売却するケースがありました。
当社では、道路冠水などの水害は売主さんから聞いたり、市役所などで調べて告知していますが、竜巻は初めてのケースでした。
確かに当社のある越谷市では、以前、一部エリアで竜巻が発生しました。
当社のある越谷で起こったことなので、竜巻があったことを「知らなかった・知らない」とは買主さんに言えません。
竜巻での被害を告知するか確認したところ、
①告知するのは任意(買主さんに言っても言わなくてもよい)
②ただし、後々買主さんが竜巻のことを知ってトラブルにならないように告知した方が良い
③告知する内容は、「〇年〇月〇日(いつ)に発生した竜巻で被害に遭った」とすれば良い
とのことでした。
突発的・偶発的に発生する竜巻は、今後同じ場所で発生するとは限らないため、竜巻の被害を買主さんに知らせる必要はないのですが、トラブルになる可能性もあるので、買主さんには竜巻の被害を伝えた方が良いのです。
そのため、当社では、告知書や売買契約書の特約などに「本物件は平成〇〇年〇月〇日に越谷市で発生した竜巻の被害に遭いました。」と記載しました。
このように告知・記載したことで、買主さんに過去の竜巻の被害を知ってもらい、後々トラブルになることはありませんでした。
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