建物を壊しても建物の滅失登記をしないと更地でも登記簿に建物の登記が残る　～不動産売却での事例155～

家を取り壊して、家がなくなった場合、登記簿上の家(建物)を無くす・消すために建物の滅失登記をする必要があります。

家(建物)がなくなったとしても建物の滅失登記をしなければ、登記簿上の建物はそのまま残っています。

更地の土地を売却する場合で、前に建っていた建物の登記が残っていることがたまにあります。

建物の登記が残ったままになっている事があります。

建物が無くなっている更地でも、建物の滅失登記を申請しなければ、建物の登記は残るからです。

なお、建物の滅失登記をしないと土地の売却がスムーズにいかなくなることがあります。

更地になっている土地を売却する場合、買主さん側の銀行の住宅ローン審査で建物の登記が残っていることが判明することがあります。

実際には存在しない建物の登記が残っていると、買主さんが銀行の住宅ローン審査で引っかかるなどの障害が生じてしまうのです。

このような場合、建物の登記簿を閉鎖するために売主さんが建物の滅失登記を申請する必要があります。

建物の滅失登記を申請しないまま建物の登記が長い間ずっと残っている場合、その建物の所有者が亡くなっていることもあり得ます。

そのため、建物を壊した時点で建物の滅失登記の申請をした方が後々困ることはありません。

当社でも、土地売却で建物の登記が残っているケースがありました。

売主さんは家を壊した後、建物の滅失登記をするということを知らず、市役所の税務課に連絡をしただけだったのです。

固定資産税だけの問題と思い、市役所にだけ家を壊したことを申告すれば、登記も自動的に無くなると思っていたそうです。

この場合、引き渡し前までに売主さんが建物の滅失登記を申請して登記を完了させることを契約内容(特約)に入れました。

そして、契約後に売主さんが建物の滅失登記を申請し、無事登記が完了して問題なく売却することができました。

「登記」という言葉から難しい手続きと思うかもしれませんが、実は建物の滅失登記は難しい専門知識などがいらないので自分で申請することができます。

※申請方法等はインターネットで多く出ています。

建物の滅失登記は、専門家に頼むと数万円ほどかかるため、自分で登記申請すれば登記費用を抑えることができます。

ただ、建物の滅失登記をしないまま建物の登記が残っていると売主さん買主さんが困ることもあるので、前に建物が建っていた更地を売却する場合には、注意をする必要があります。