〇〇跡地の地中から以前建っていた建物のコンクリート杭が出てきたケース ~不動産売却での事例㉛~
土地を売却する際には、地中埋設物(ちちゅうまいせつぶつ)が問題となります。
この地中埋設物というのは、文字通り地中に埋まっている物を言います。
以前の土地に何か建物が建っていた場合に地中から何かが出てくるかもしれません。
地中埋設物は撤去する
地中埋設物が問題になるのは、地中埋設物が出てきたら新しく建物を建てる時に建築に支障がないように撤去しなければならないからです。
それから、地中埋設物の撤去には費用がかかります。
なお、地中埋設物の具体な物は、コンクリートのガラ(コンクリートの塊)・浄化槽・井戸・アスファルト・ゴミなどがあります。
さらにコンクリートの建物が建っていたような土地には、建物の杭が地中に埋まっていることがあります。
地中埋設物の撤去費用
売買契約書で通常「瑕疵担保責任を売主は引き渡し後3ヶ月間負う」となっているので、地中埋設物の撤去費用を負担するのは、売主さんとなります。
通常は売主さんの瑕疵担保責任がある売買契約が一般的です。
なお、売主さんが建物を解体して引き渡す(更地渡し)場合に地中埋設物が出てきた場合は、もちろん所有者である売主さんが撤去費用を負担します。
地中埋設物の判断は難しい
地中埋設物があるかないかは、建物が建っていると外見上なかなか判断がつきにくいものです。
●建物を解体した時
●地盤調査をした時
に地中埋設物が発覚するケースが多いのです。
なお、地中埋設物がコンクリートガラや浄化槽やなど撤去が比較的簡単なものであれば、建物解体にあわせて撤去できます。
しかし、巨大な埋設物や広範囲に埋設物があると、撤去費用が相当かかってしまうことがあります。
コンクリート杭が出てきたケース
地中から何かが出てくるのは、解体時の物をそのまま残して埋めてしまうからです。
以前、当社が売却の依頼を受けた土地であったケースです。
当初、土地の上には家がありました。
売主さんが解体して更地で引き渡すことになりました。
ただ、売主から
「昔ここは〇〇(施設)の大きい建物があったから何か出てくるかも」
と言われました。
案の定、ガラが出てきたとのこと。
しかし、ガラだけではありませんでした。
現場に行くと解体業者から
「ガラだけでなく、大きなコンクリート杭も出てきましたよ。」
売主さんにも見てもらいました。
「〇〇(施設)は、最後片付けるお金もないほどだったかったから、解体しただけで、解体で出た瓦礫などをそのまま埋めてしまったのかもしれない。」
周辺の方にも聞くと、やはり建替えなどの時にガラや杭などが多く出てきたとのこと。
ちなみにこのコンクリート杭は、買主さんの建築に支障がないように撤去しましたが、売主さんは、地中埋設物の撤去として追加費用がかなりかかりました。
地中埋設物を事前に予想する
売却する土地に昔から住んでいたことがある方は、土地の経緯について色々知っているかもしれません。
昔の土地を知らないようであれば、近所の方に土地の情報を聞いてみるのもいいかもしれません。
古くから住んでいる人がいれば昔の土地のことを聞いたり、建替えをしたのであればその時地中から何か出てきたなどを聞いてみて下さい。
また、過去の土地情報を資料などで調べておくのも良いです。
過去の建物が家なのか、商業施設(店舗)なのか、工場なのかがわかれば、ある程度予想がつくかもしれません。
そうすれば、100%でないかもしれませんが、土地を売却する際、事前に地中埋設物が出た場合の撤去費用を計算できるかもしれません。
つづく
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