売主の残置物を買主が引き取ったが、買主は処分できずに残置物を空き地に不法投棄してしまったケース ~実際にあった不動産の相談事例②~
不動産を売却する場合、物件の引き渡しの際には残置物等の売主さんの荷物がない状態(空っぽの状態)で引き渡すことが原則です。
ただし、残置物を売主さんが処分するのか、買主さんが処分するのかについては、契約内容(条件)で決めることもできます。
売却物件の近隣の方から
今回、相談があったのは、当社での売却には全く関係ない物件の近隣の方からでした。
なぜ、そのような方から当社に相談があったのか?
当社のブログを見てくれたみたいなのです。
ブログの内容は、不動産売却での残置物の処分についてです。
近隣の売却物件で残置物の処分に問題があったそうなのです。
では、どのような問題が起きたのでしょうか?
物件の残置物が・・・
売主Mさんは家を売却することになりました。
Mさんは、住宅ローンの返済で物件内にある残置物の処分費用がなく、そのままの状態で売却できないかと思っていたところ、Mさんの知り合い買主NさんがMさんの残置物を残したまま買うことになったのです。
知り合いの物件という事もあり、Nさんは物件内をよく見ないまま買ってしまったらしいのです。
ところが、Nさんは引き渡し後に物件内の荷物がたくさんあることに気づいたのです。
Nさんもこの多くの荷物を処分する費用がその時はありませんでした。
そこで、何とNさんは少し離れた空き地にMさんの荷物を捨ててしまったのです。
何日間かかけて夜に気づかれないまま荷物を運び捨てました。
それから空き地はゴミの山。
空き地の衛生・治安の面で近隣の方が困っていたところ、ゴミの中からMさんの郵便物を発見しました。
そこで、近隣の方達で郵便物の住所を尋ねてみたのです。
郵便物の住所には、Mさんではなく、Nさんがいました。
ところが、Nさんは「ゴミは知らない、売主のMさんが捨てた。」と言ったのです。
一方でNさんが処分してくれたと思っていたMさん。
Mさんにも近隣の方から連絡が来ました。
Mさんは「契約上、Nさんが捨てることになっている。」
残置物の処分は誰がする?
このような事で、近隣の方が残置物の処分についてネットで調べたところ、当社のブログを読んでくれたそうで、相談の電話が当社にありました。
近隣の方の相談はこのケースの場合、残置物の処分は誰がするのか?というものでした。
①売主さんが残置物の処分をして何もない状態で買主さんに引き渡すのが一般的
②ただし、契約内容(条件)で買主さんが残置物を引き取って処分することもできる
③②場合は、契約書の特約などに明記する ※①の場合でも明記するのが良い
と伝えました。
後日、契約書を見た近隣の方はNさんが残置物の処分することになっていることがわかりました。
そして、最終的にNさんは空き地のゴミを捨てることになったそうです。
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