不動産を売却したのに次の年も売主が固定資産税を払っている！？固定資産税の分割払いが原因！？　～不動産売却での事例126～

固定資産税は、年の途中で不動産を売却しても、その年の1月1日時点の所有者に課税されます。

ただし、不動産売買では、引き渡し日以前が売主さん、引き渡し日以後は買主さんの負担として、固定資産税を日割り計算してそれぞれ負担し合うのが一般的(慣習)となっています。

ところで、不動産を売却した際に固定資産税の清算が済んだのですが、固定資産税を分割払いしていた売主さんから「次の年も固定資産税を払っている」と言われたケースががありました。

固定資産税は、その年の1月1日時点に不動産を所有している方が納める税金です。

固定資産税の金額は、その年の4月1日から次の年の3月31日までの分となります。

そして、固定資産税は、毎年4月～5月頃に納税通知書が送付され、一括払い又は年4回の分割払いで支払うことができます。

なお、自治体によってその納付期限も様々ですが、分割払いの4回目の支払いは、一般的に翌年の2月末～3月上旬頃までとなります。

固定資産税は毎年1月1日時点の登記簿上の所有者(不動産の登記簿に所有者として記載されている人)に課税されます。

そのため、不動産を年の途中で売却したとしても、その年の固定資産税は所有者(売主)さんに課税されます。

たとえ5月1日に不動産を売却・引き渡して不動産の名義が変わったとしても、固定資産税の納付書は5月頃に売主さんに送付されます。

このように売却した年の固定資産税の納税者は売主さんとなるのです。

ただ、不動産売買では、売却した年の固定資産税は引き渡し日を基準として、不動産の引き渡し日以降の分を買主さんに負担してもらうことになり、日割り計算した買主さん負担分をもらって売主さんが納税することになります。

次の年からは、買主さんが固定資産税が納税することになります。

なお、不動産売買の固定資産税清算方法は法律上の手続きではなく、不動産取引の慣習にすぎません。

不動産売却の固定資産税の清算でこのようなケースがありました。

売主M「去年、家を売却したのに今年も固定資産税が口座から引き落とされている。売却の時に買主と清算したけど、再度買主からその分(引き落とされた分)を請求してくれない？」

アクティバル「今年度の固定資産税は来ない(払わない)はずですよ。今年は名義が変わって買主さんが固定資産税を払いますから。」

売主「だけど、現に分割払いの4回目が引き落とされているけど。」

アクティバル「分割払いの4回目？？Mさん、固定資産税の金額は、4月1日から翌年3月31日までの分で、4回目の分割払いは翌年2月～3月頃の支払い・引き落しですよ。それで、昨年度の固定資産税の支払いは終わりです。」

売主「えっ？？そういうことだったんだ。」

売却時に清算した固定資産税は、分割払いでも売却した年の分で(1月1日から12月31日までの支払い分として)支払いが終わりになると売主さんは勘違いしたのです。

そのため、買主さんへの変更手続きができず、次の年の固定資産税も売主さんが支払ったと思ったそうです。

念のため市役所に確認しましたが、やはりMさんの支払いは前年度分で、今年度は買主さんが納税するようになっていました。

一括払いであれば、売却した年で固定資産税の支払いは終わりますが、分割払いで少し紛らわしくなったのかもしれません。