町内会のゴミ捨て場が輪番制となったが、その内容を書面に残すことはできない！？　～不動産売却での事例135～

自治会・町内会のゴミ捨て場(ゴミ集積所・ゴミ置き場)を輪番制(ゴミ捨て場が順番で移動)に決まった売却地での事です。

輪番制となったゴミ捨て場について、後々トラブルにならないよう口約束ではなく、書面に残したかったのですが、関係者全員から書面にすることはできないと断られてしまいました。

住宅地では、自治会や町内会のゴミ捨て場を輪番制(ゴミ集積場所を定期的に移動)としているところもあります。

ゴミ捨て場の輪番制は、ゴミ捨て場に指定されたそれぞれの家が1年交代などの持ち回りでゴミ捨て場になるものです。

しかし、ゴミ捨て場の場所を輪番制で決めたとしても、家の持ち主が替わってしまった場合などに「そんな話は聞いていない」などとトラブルになる可能性があります。

なお、聞いた話ですが、トラブル例として、

●8件の持ち回りと聞いていたが、実際は3件の持ち回りだった

●順番が回って来た家が「うちはゴミ捨て場を引き受けたつもりはない」と言い張る

●輪番制と決まっていたが、交代時期になってもゴミ捨て場が変わらない

ということがあったそうです。

売却する土地の町内のごみ集積所が、その年から売却地を含む輪番制(5件の持ち回り)となりました。

ただ、売却するのが空き家だったため、空き家の売主さんを除く4件の口約束で決まってしまいました。

当社としては、買った方やゴミ捨て場になった家が今後トラブルにならないよう、合意書・確認書といった書面にする(記録を残す)ことが良いと思いました。

売主さんや買主さんに伝えると、「ぜひ、そのようにしてほしい。」との事でした。

しかし、

「将来、ゴミ捨て場付きの家を売ることになり、価値が下がる。」

「書面にすることは『ゴミ捨て場の家』が付きまとってしまう。」

「書面に残す必要のものではない。」

「ゴミ捨て場にしたのは、善意で引き受けただけで、(売主)〇〇さんの売却のためではないから書面にする理由はない。」

と書面にすることを売主さんを除く関係者全員(4名)に拒否されてしまいました。

それでも、

「5件の持ち回りになった内容を町内会で回覧したのですが、それではダメですか？」

と言った方がいました。

それを書面の代わりにできないかと思い、町内会の班長さんに聞きましたが、「回覧が終わり不要と思って処分してしまった」と言われました。

そして、ゴミ捨て場の輪番制を証明するために自治会長さんや班長さんに全ての輪番制となった経緯を聞き込みし、それを記録を書面に残すことしかできませんでした。

不動産業界では、通常決まり事を書面にします。

言った、言わないとトラブルにならないように証拠を残すためです。

しかし、書面にすることを拒否したり、嫌がったり、必要ないと思う方もいるのです。

今回のケースで売却をすることはできましたが、輪番制になったいることを確実に証明するものがなく、後味悪いものとなってしまいました。