契約時にあった権利証が無くなる！？　～不動産売却での事例150～

不動産を売却する際の売主さんが用意するものとして「権利証(登記済証)」があります。

「権利証」は売主さん自身が不動産の登記名義人(所有者)であることを証明する書類として必要となります。

ただ、以前に契約時にあった権利証が無くなってしまったということがありました。

不動産売買では、不動産の代金全額を支払った時に所有権が移転する(名義が変わる)のが一般的です。

それは、売主さんから買主さんへの不動産の引き渡し(登記名義を変えるための書類を渡す)、買主さんから売主さんへ売買代金を支払うことで不動産売買は完了するのです。

上記の登記名義を変えるための書類の1つとして売主さんの「権利証」があります。

「権利証」は、売主さんが本当の所有者であるかを確認するために必要となります。

なお、権利証が無いという場合は、司法書士が本人確認情報を作成し、登記を申請することになります。

事前に権利証が無いことがわかっていれば、司法書士が売主さんと面談などをして、売主さんの本人確認をします。

そして、「ここにいる売主さんが登記されている登記名義人本人に間違いない」という事になれば、司法書士が本人確認情報を作成して登記申請をすることができるのです。

ただし、この司法書士による本人確認には費用がかかり、売主さんが負担することになります。

契約時にあった権利証が無くなってしまったことがありました。

売買契約に売主さんが持って来た権利証を当社がコピーを取り、その場で権利証を返しました。

契約から数ヶ月後、決済(引き渡し・登記手続き)に必要な書類の一覧表を書いた書面を売主さんに渡して確認しました。

アクティバル「決済当日はくれぐれも忘れ物がないようお願いします。」

売主「わかりました。書類は大丈夫です。」

しかし、決済(引き渡し)日に売主さんが現れると、

売主「権利証が無いんだよね。。。どこ行っちゃったのだろう。決済が終わってからまた探してみるけど、それでいいかな？」

アクティバル「そういう訳にはいきません。契約時に権利証のコピーを当社は頂いていますが。」

売主「それが探しても出てこないんだよね。」

結局、売主さんは費用を払って権利証がない場合の司法書士による本人確認手続きをして、引き渡しを済ませました。

その後も売主さんは権利証を探したそうですが、結局、権利証は見つかりませんでした。

権利証がないと売主さんは無駄な費用がかかってしまうので、最後まで権利証は無くさず大切に保管して下さい。