幼い頃に生き別れた父が亡くなり、相続した父の不動産を売却した売主《前編》　～不動産売却での事例158～

幼い頃に生き別れた父親が亡くなり、父親の不動産を相続することになった売主さんがいました。

ただ、この売主さんは、幼い頃に両親が離婚して以降父親とは会ったことがなく、父親の存在も知らなかったのです。

ところが、突然、相続人である子供の売主さんに父親が亡くなったと連絡があり、知らない実の父親が所有していた不動産(マンション)を相続することになったのです。

日頃、お世話になっている司法書士の先生からマンションを売却したい方(Bさん)がいて、その方を紹介して頂けるという話がありました。

Bさんの父親が亡くなり、父親の所有していたマンションを相続することになったのですが、Bさんは、そのマンションに住むつもりがないため、売却することにしたそうです。

ただ、司法書士の先生から渡された不動産の謄本を見てみると、亡くなった所有者(Aさん)と相続人(Bさん)の苗字が違うことがわかりました。

司法書士の先生からは、「両親が離婚して、Bさんは母親のBさんに引き取られたため、Bさんの苗字が母親の苗字になっている」と聞きました。

また、その後Aさんは再婚しなかったため、相続人は子供であるBさんのみとの事でした。

親が離婚していると、離婚した配偶者に相続権はありませんが、離婚した配偶者との間の子供には親から相続を受ける権利があるのです。

Bさんと売却の話をするために初めて会った時の事です。

Bさんから、

「私が幼い頃に両親が離婚して、私は母に引き取られました。それ以降父と会うことはなく、物心つく前に生き別れたため、父の記憶が全くありません。そのせいか、自分には父親がいないものだと思っていました。ところが、父が亡くなった数日後おじを名乗る方から連絡があり、自分に父がいたことと父が亡くなったことを知りました。その時に母からも父についての話を初めて聞きました。」

と話がありました。

そして、

「相続人は自分1人のようで、〇〇にあるマンションを相続することになりました。ただ、マンションは今住んでいる家から少し離れていることもあり、そこに住むつもりがないので売却したいと思っています。」

ということから、相続したマンションを売却することになりました。

つづく