売却する土地に数センチ接していなかった土地 ~不動産売却での事例167~
土地を売却する際に、売主さんは買主さんに土地の境界を明示する(ハッキリさせる)ことが必要です。
境界を確認・確定するには、土地に接する全ての土地所有者と立会いをしなければなりません。
土地所有者との立会いで境界を確定
土地を売却する際には、境界を確定する必要があります。
土地に接する全ての土地所有者と立会いをして境界を確認・確定します。
通常、土地家屋調査士などの専門家と土地に接する土地所有者間で境界の立会いをするのが一般的です。
なお、売買契約では、境界の立会いが不調になった(できなかった)場合、売買契約が不成立・解約になることがあります。
境界の立会いが不調になるのは、お隣の土地の所有者と仲が悪くて、境界の立会いをしてもらえない・境界を確定できないのです。
また、お隣の土地の所有者が行方がわからない場合は、境界の立会いができず、境界を確定できないことがあります。
数センチ接していない土地がある
以前、土地の売却でこのようなことがありました。
当社と土地家屋調査士さんと売却する土地に接する土地の所有者さん達と境界の立会いをしました。
全ての境界の立会いが無事終わったのですが、売却する土地に接している方(Yさん)との立会いがないことに気づきました。
その事を土地家屋調査士さんに聞くと、
土地家屋調査士「(測量図を見せて)わかりずらいかと思いますが、境界が若干ズレていて土地に接していないので、今回Yさんとの立会いはしません。」
と、Yさんの立会いは不要との事でした。
確かに測量図をよく見ると、わずか数センチですがYさんの土地とは接していなかったのです。
土地家屋調査士「Yさんの土地が接していたらけっこう厄介でした。」
アクティバル「どういうことですか?」
土地家屋調査士さんがYさん所有の土地謄本を見せて言いました。
土地家屋調査士「所有者Yさんは海外にお住まいの方です。」
Yさんは日本人ですが、謄本のYさんの住所が海外の住所になっていました。
※住所が海外の場所でも謄本に記載されます。
しかも、日本からかなり離れている場所が謄本の住所になっていました。
アクティバル「それは本当に良かったです。Yさんの土地が接していたら立会いが難しく、売却が長期化・難航するところでしたね。」
土地家屋調査士「以前、海外に住んでいる方との境界確認はかなり時間がかかりました。連絡を取って立会いをするまで本当に苦労しました。」
売却する土地にその土地が接していたら?
境界が数センチズレていたことで、海外在住のYさんとの境界の立会いがなく、売却も問題なく進みました。
そして、土地の売却が無事終わった際、売主XさんにYさんとの境界の話をしました。
売主X「確かに空き家っぽかったけど、海外に住んでいたとはね。」
アクティバル「数センチの差で売却が順調に終わって良かったですね。」
売主X「Yさん家に接している人は売る時に大変だね。」
アクティバル「そうですね、苦戦すると思います。」
今回の契約では、特約で境界確定が不調(できず)に終わった場合は解約となっていたので、タラればですが、この数センチなければ、土地の売却はどうなっていたのでしょうか。
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