親が認知症となり実家が空き家になった家の売却・後編
前回のブログでは、親が認知症となった為に家が空き家になった場合の家の売却は
成年後見人を立てなければならないという内容をお届けしました!!
今日の後編では裁判所への申し立てや裁判所の売却判断についてお送りします!!
成年後見人の裁判所への申し立て!
裁判所に申し立てをしてから、成年後見制度の利用開始までには約4ヶ月程とされて
いますが、実際には約2ヶ月くらいとの事です!
それは親の陳述聴取や成年後見人等の候補者の適格性調査などの審理が一定の期間
必要となる為です!
成年後見人が決まると居住用不動産処分許可申立書という正面に家を処分する理由を
記載して裁判所への申し立をして裁判所の許可を得ることになります!
これには約1週間程度かかるそうです!
裁判所の売却可否判断!
裁判所は親の家の売却可否について、明確な判断基準があるわけではないのです!
それでもまず問われるのは次のように家の売却が親にとって本当に望ましい
ことか・不利益にならないかという点です!
・売却の必要性
介護や生活費、医療費の為など、売却の理由が親のためになっているのか
・親の帰宅可能性
万が一、介護施設や老人ホームから戻ってきたときに今後住める家があるのか
・親の意向
親が自分の家を売却したい意思があるのか、ないのか
※認知症といっても段階があり、意思が確認できることもあります!
また、症状が進み親の意思が確認できない場合は、どうすれば本人の利益にな
るのかという点を裁判所は判断します!
・売却代金
売却代金は妥当な額であるのか
※そのことを裏付ける不動産業者が作成した査定書の提出が必要となります!
売却代金は本人のために使われるのか、売却代金の保管先は適切なのか
上記の点に加えて、空き家として問題となっている家の老朽化の程度、近隣
との関係、空き家を管理するための負担の程度など様々な事を総合的に考慮
して判断することになります!
成年後見人の役割は親の意思を尊重し、かつ親の心身の状態や生活状況
に配慮しながら、必要な代理行為を行うとともに、親の財産を適正
に管理していくこととされています!
空き家という理由だけでは売却の許可が下りないこともある!
親の家が空き家のまま放置されることにより、「ご近所の迷惑になるから」や
「維持・管理費がかかるから」という理由だけでは裁判所の許可は下りない
こともあります!
現在の日本では空き家問題が深刻な社会問題となっています!!
空き家を理由に親の家を売却したいという申し立ては、今後も増加することが予想
されます!
こうした中で空き家とういう理由で子が親の家を売却して現金にかえてしまうことで
親に不利益とならないように裁判所がきちんとチェックする成年後見人制度は、
子のためというより認知症になり判断力が弱まった親の利益を保護する制度と
言えます!!
元気なうちによく話し合いを!
子にとっては、少し面倒な制度に思えてしまうかもしれませんが、親の家を売却する
ことを裁判所が許可したということは、意見が異なった他の兄弟や親族とのもめごとや
トラブルを回避する手段としてとても有効です!!
親の家を空き家にしないためにも、親が元気で十分な判断ができるときに、
住まなくなった家(不動産)をどうするかをしっかり親子で話し合っておくことは
とても大事なことです!!
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