売主側と残置物の引き取りと処分でトラブルになったケース ~不動産売却での事例㉙~
売却する不動産の引き渡しまでに、建物内や建物外にある残置物(ざんちぶつ)を売主さん側で処分します。
残置物は、置いたままでいいことなく、家具・家電などと言った残置物は売主さんが引き取る(持っていく)、又は処分して、空の状態で引き渡すのが基本です。
不動産での残置物(ざんちぶつ)とは?
不動産での残置物(ざんちぶつ)とは、簡単に言うと建物や敷地内に置いてある私物のことです。
たとえば、タンスなどの家具、冷蔵庫やテレビなどの電化製品と言った大型の物や食器や自転車などを含めた動かす(移動する)ことができる物です。
売主さんが不動産を売却する時には、原則として引き渡し前までにこのようなゴミなどの不用品を不動産内から撤去して空の状態にします。。
そのため、残置物は、売主さんが処分したり、引き取ったりします。
処分と引き取りがある場合には、両者が紛れないように注意しなければなりません。
残置物の処分と引き取り
当社が売却の依頼を受けた物件にあった残置物の処分と引き取りでトラブルになった事例です。
この物件の所有者である売主さん(Aさん)は高齢で、自分で荷物(残置物)を片付けできないとのことでした。
そのため、当社が残置物の片付け業者を紹介して残置物を処分することになりました。
しかし、売主さんの兄弟の方(Bさん)が残置物の一部を譲ってもらいたい(引き取りたい)と言ってきました。
Bさん「ここにある物全部を処分しないで下さい。私達が引き取りたい物があります。」
アクティバル「それでは、処分する物と引き取る物を分けて下さい。引き取る物には印を付けて下さい。印がない物は処分します。」
Bさん「わかりました。」
Bさん「仕分けが終わりました。印がある物以外は処分して下さい。印がある物は自分達で業者を手配しますので、後日運んでもらいます。」
その後、当社も立会いのもと、片付け業者による残置物の処分作業をしました。
引き取りする物がない!?
ところが、数日後、運搬業者と残った荷物を引き取りに来たBさんから
Bさん「残してほしいと印を付けておいた〇〇がないのですが、どこにありますか?もしかして捨ててしまったのですか?」
アクティバル「いいえ、それはないと思うのですが。」
しかし、その物はありませんでした。
そこで、片付け業者にその物がまだ残っているか確認しましたが、全て処分して(焼却所へ行って)しまったそうです。
何かの拍子で印が落ちてしまい、印がない物として業者が間違って処分しまったのかもしれません。
Bさんには丁重に謝罪しました。
Bさん「もうないなら諦めますよ。まぁ、私達も人の物をもらうのだから仕方ないです。」
問題点と対策
まず、今回のケースでは、引き取りをしてから処分の順が良かったのです。
これは、Bさんには、引き渡し日のことを説明したのですが、Bさんも高齢で、遠方に住んでおり、なかなか仕分けに来ることができないままズルズルと引き渡し日が迫ってきていました。
さらに、Bさんは(引き取る物を)運んでもらう業者の手配もできず、引き取り日が引き渡しギリギリの日(3日前ぐらい)だったのです。
そのため、処分から引き取りという逆のスケジュールになってしまったのです。
※上のことは、決してBさんを悪く言うわけではなく、言い訳でもなく、トラブルになった背景として説明しました。
また、事後の反省点として、上司からのアドバイスによると、
〇Bさんが残してほしい(引き取る)物の全ての写真を撮る
〇その写真を付けた確認のための書面を作り、署名をもらう
をしておけば、ここまでトラブルにならなかったと言うのです。
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