役所の図面と違う!?実際は隣の水道管と下水管が売却する土地を通っていた! ~不動産売却での事例㊷~
水道管や下水管は、通常敷地の前面道路にある本管から敷地内に引いて来ます。
しかし、他人(隣)の土地に引かれた水道管や下水管が自分の土地を通っている事があります。
役所の図面では、通っていないのにです。
図面と実際の状況
通常、前面の道路にある本管から水道管や下水管を敷地に引き込みますが、過去の何らかの事情によって、自分の土地を経由して他人(隣)の水道管や下水管が引き込まれている場合があるのです。
水道管や下水管の埋設状況は、市役所などの埋設図面で確認することができます。
しかし、図面と実際の埋設が完全に一致しているとは限りません。
そして、隣の水道管が通っていることが判明した場合には、費用はかかりますが、原則として引き直しをする必要があります。
図面と実際の状況が違っていた事例
当社の売却事例で、売却する土地にお隣の水道管と下水管が通っていることがわかりました。
これは、引き渡し後、買主さんの新築工事の際に判明したのです。
ただし、市役所の図面では、お隣の水道管と下水管は、前面の道路から敷地に引かれてました。
買主さんは、(瑕疵担保責任で)売主さんに水道管と下水管の撤去をお願いしました。
これに対して、売主Aさんは、
「うちの土地にBさんの水道管と下水管があるなんて知らなかった。」
売主Aさんも、この事は知らなかったのです。
しかし、
「でも、うちの敷地内にあるBさんの水道管と下水管の撤去費用を払わないといけないの?人の物なのに何で?本来Bさんがやるのが当然でしょ?」
と受け入れてくれません。
それから、お隣のBさんにも相談しましたが、
「今まで問題なく使っていたのに、今さらやり直せと言われても、そんなお金ないよ。」
とお互い話が合わず、平行線のままでした。
一方で、図面のある市役所も
「すみません。そのような場合は、現況が優先となってしまいますので、市は関係ありません。」
と答えるだけでした。
実際の状況を確認
市役所などの埋設図面は必ずしも正確なものとは言えず、「図面と現況が異なる場合は現況通りとします」とされてしまうので、注意が必要です。
こういったケースが多くなったせいか、市役所の図面には、
「できる限り最新で正確な情報を提供しておりますが、現状と一致することを保証するものではありませんので、必ず現地を確認して下さい。」
「情報は、反映されていない場合がありますので、現地の状況を優先して下さい。」
と大きく書くようになりました。
また、不動産業者の調査等で判明することは難しいのですが、できる限り図面と現地を見て、しっかりと確認・調査して最善を尽くすことが重要です。
そして、売却でトラブルにより大きな責任にならないように、売却する土地の水道管や下水管の状況はきちんと確認・把握することをお勧めします。
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