出てきたガラを売主の確認なく勝手に処分・撤去し、売主に費用を請求？　～不動産売却での事例130～

引き渡し後に地中からガラなどが出てきた場合、通常売主さんが処分・撤去します。

そのため、ガラが出た場合、売主さんにガラを見てもらい確認します。

古屋付き土地売却で、引き渡し後に出てきたガラを売主さんが確認しないで、買主さんが勝手に処分・撤去してしまい、費用を売主さんに請求してきたケースがありました。

古屋付き土地売買では、土地の引き渡し後に買主さんが古屋の解体をした際、地中からガラやゴミが出てくることがあります。

この場合、通常、一定期間内は売主さんが地中から出てきたガラなどを処分・撤去することになっています。

そのため、ガラが出てきたら買主さんは不動産業者や売主さんにガラが出てきたことを伝えます。

それから、売主さんや不動産業者に現地を確認してもらい、ガラの処分・撤去の費用を出します。

ガラなどを処分・撤去する費用や業者については、売主さんが決めることになりますが、売主さんと買主さんの話し合いで決めることもできます。

処分・撤去する費用や業者が決まるとガラを処分・撤去します。

ガラが出てきたことは、必ず不動産業者や売主さんに現地を確認してもらうことが大切です。

売主さんや不動産業者の立ち会いのもとで確認しないとガラが出てきた事実が不明となってしまいます。

買主さんは家の工事を早く進めたいと思い、ガラなどを勝手に処分・撤去してしまうと、売主さんにガラが出てきたことを証明できなくなってしまいます。

古屋付き土地売却で起こったケースです。

引き渡し後に買主さんが古屋を解体した際、地中からガラが出てきました。

しかし、買主さんがガラを勝手に処分・撤去してしまい(解体のついでに解体業者に処理してもらい)、処分費用を売主さんに請求してきたのです。

買主さん側の仲介会社から、

仲介会社「買主さんから『売主さんの対応を待っていたら、家の新築工事のスケージュールが進まない。契約で決められてることだから、当然売主さんに払ってもらいたい。』と言っていましたので売主さんへの対応をお願いします。」

ただ、解体業者が写真を撮っていたので、売主さんに写真を見せてガラを確認してもらいました。

しかし、

売主「これ本当に出たの？費用の相談なく勝手に処分してもらっては困るな。払わなきゃいけないのだろうけど、費用が少し高い気がする。納得できないよ！」

となってしまいました。

また、

仲介会社「買主さんは『早く払って下さいと売主さんに伝えてください。』とそれだけでした。」

なかなか話がまとまりません。

今回のケースで一時はどうなることかと思いましたが、売主さんにガラの処分費用を支払って頂くことで解決しました。

このように引き渡し後から一定期間内に出てきたガラの処分・撤去費用は原則売主さんが負担します。

ただ、今回のケースがあってから、当社では古屋付きの土地の売却で売主さんに古屋を解体してから引き渡す「更地渡し」を勧めています。

引き渡し後では、買主さんとトラブルになることがありますが、引き渡し前ではガラが出ても売主さん側だけでほぼ解決できるためです。