4回も引っ越しをしていたが、住所変更登記を1度もしていなかった売主　～不動産売却での事例138～

不動産の所有者さんが登記上の住所から引っ越しをしていることがあります。

その場合に不動産を売却するには、買主さんへの売買による所有権移転登記の前に、売主さんが登記名義人住所変更登記をしなければなりません。

そして、売主さんが何回も引っ越しをしている場合の住所変更登記には、全ての住所のつながりを証明する書類(戸籍の附票など)が必要です。

不動産の所有者さんが引っ越しで何回か住所を移転している場合、現在の住所(最後の住所)が登記に記載されます。

もう住んではいない過去の住所は登記に記載されません。

しかし、住所変更登記申請の添付書類では、これまでの住所のつながりを証明することが必要となります。

ただし、数回引っ越し(住所を移転)している場合、住民票だけでは、住所のつながりを確認できないことがあります。

住民票は、前住所しか載っていないため、数回住所を移転している場合は、住民票だけではつながらないのです。

そのような場合は、登記上の住所から現住所までの住所移転の経緯がわかる書類(戸籍の附票など)を住所変更登記の申請で添付しなければなりません。

ある売主さんは4回引っ越し(住所を移転)をしましたが、その間の登記の住所を1度も変えていませんでした。

そのため、この売主さんが土地を売却する際には、土地の登記名義人の住所変更登記をしなければなりません。

売主さんは自分で住所変更登記を申請することにしました。

ところが、1回目の申請で法務局から住民票だけでは住所がつながらないと言われてしまったのです。

それから、「戸籍の附票」を取って再度申請しましたが、それでも住所がつながらなかったのです。

その後、法務局から指示のあった「改製原附票」という書類を取って、全ての書類からやっと住所がつながりました。

売主さんは登記費用を抑えるために自分で登記申請をしたのですが、何度も書類を取るために役所に出向いた労力を考えると司法書士に頼めば良かったと言っていました。